執筆者一覧

農業ビジネス
農業経営者twitter
デジタル見本誌

アーカイブ
2023
07
2022
12 07
2021
08
2020
12 08 04
2019
12 11 09 08 06 04 03 02
2018
12 10 08 07 04
2017
12 10 08 06 05 03 02 01
2016
12 11 10 07 06 04 03 02
2015
12 11 10 09 08 07 06 04 03 02
2014
12 11 10 09 07 06 05 03 02 01
2013
12 11 10 09 08 07 06 04 02
2012
12 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2011
12 09 08 07 06 05 04 03 02
2010
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2009
12 11 10 09 07 06 05 04 03 02 01
2008
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2007
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 01
2006
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2005
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2004
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2003
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2002
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2001
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2000
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
1999
12 11 10 09 08 07 06 05 04 02 01
1998
12 11 10 09 08 07 06 04 02
1997
12 10 08 06 04 02
1996
12 10 08 06 04 02
1995
12 10 08 06 04 03
1994
12 09 06 03 01
1993
10 07 05
文字のサイズ
中
大

HOME > 農業技術  > 大規模輪作営農のため...

購読申込み
大規模輪作営農のための乾田直播技術

漏水対策と水管理 盛川農場での実証試験 | 農業経営者 11月号 |  (2008/11/01)

稲作経営を抜本から変える革新技術として注目される乾田直播。海外マーケットへの進出の鍵さえも握るこの技術は、稲作経営に携る者にとって、無視できない存在になりつつある。試験場での研究のみならず、現場の農業経営者と一体となって技術開発に取り組む東北農業研究センターの大谷隆二氏が、実践的な乾田直播技術をシリーズでお伝えする。

不可欠な水管理技術


直播栽培における最初のハードルは、苗立ちの確保と雑草防除であるが、その成否の鍵を握るのは初期の水管理(排水と灌漑)であるといっても過言ではない。

乾田直播では、圃場排水によって播種前に土壌が十分に乾燥することで、良好な苗立ちが得られる。一方、出芽後に湛水する際には、除草剤の効果や地温を確保するめに水持ちが良くなければならない。すなわち、乾田直播では排水性と水持ちの良さを兼ね備えた「水管理のための圃場作り」が重要である。

究極的には暗渠の水甲の開閉で自在に湛水と排水ができる圃場が理想であるが、代かきすることを前提として整備された圃場が圧倒的に多い現状では、漏水対策が必要となる。イネの生育に適した日減水深は2〜3cmといわれているが、除草剤の適正利用と効果の面から、日減水深は2cm以下にしたい。漏水の多くは畦畔からの横浸透であり、代かき圃場では縦浸透の3〜7倍といわれている。

2007年に盛川農場で実施した乾田直播圃場の日減水深は、3cmを超えていた。畦畔からの漏水の流出量を測定したところ(隣接する下側圃場に水路を掘って計測)、水深単位で1cm/日以上もあり、畦畔漏水の対策が課題となっていた。

(以下つづく)

大谷隆二(おおたに りゅうじ)
1961年山口県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、農林水産省に入省。北海道農業試験場で『草地飼料作および水稲作の機械化に関する研究』、農業研究センターで『水稲の低コスト栽培および乾燥調製に関する研究』に従事。1997年岡山大学より学位授与(農学博士)され、1998年に『無代かき直播栽培に関する研究』で農業機械学会技術奨励賞受賞。その後、農林水産省大臣官房で技術調整に関する業務に従事し、2003年に東北農業研究センターに異動。東北水田輪作研究チーム 上席研究員。著書に『北の国の直播』(共著)がある。
※記事全文は農業経営者11月号で
Posted by 編集部 | 12:29 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
農業技術 | 大規模輪作営農のための乾田直播技術

グレーンドリルを用いた播種体系【盛川農場における実際編】 | 農業経営者 10月号 |  (2008/10/01)

稲作経営を抜本から変える革新技術として注目される乾田直播。海外マーケットへの進出の鍵さえも握るこの技術は、稲作経営に携る者にとって、無視できない存在になりつつある。試験場での研究のみならず、現場の農業経営者と一体となって技術開発に取り組む東北農業研究センターの大谷隆二氏が、実践的な乾田直播技術をシリーズでお伝えする。

盛川農場の直播導入の端緒


第1回では、グレーンドリルを用いた播種体系について、東北農業研究センターの所内圃場での試験データを用いて基本事項を解説した。第2回は、岩手県花巻市の盛川農場(盛川周祐代表)での実際編を述べる。

盛川農場の経営面積は約50haであり、水稲10・7ha、小麦21・4ha、大豆14・2haのほか、最近はジャガイモの導入を進めており、2008年には2・3haに拡大している。盛川農場の技術の特徴は、第一に、プラウ耕による深耕や積極的な堆肥施用による土作りへのこだわりである。第二に、高性能な機械の導入による徹底した高能率化であり、導入した機械の日常的なメンテナンスや部品交換は自分で行なっている。また、近年では、レーザー均平機を用いて30a前後の圃場区画を合筆し、自前で大区画化を進め、作業の効率化を図っている。

盛川氏の直播栽培への取り組みは、大冷害の翌年、94年の減反緩和を契機とした湛水直播の導入がスタートである。乾田直播については、スガノ農機のバーチカルハローシーダを用いた体系で05年から取り組んでおり、これには「東北土を考える会」の活動の役割が大きい。また、秋田県大潟村で乾田直播に10年以上の実績のある矢久保英吾氏の影響も見逃せない。

グレーンドリルを用いた体系は、盛川氏が筆者の研究室を訪ねてこられた07年から、現地実証試験という形で始まった。盛川農場では、麦の播種にグレーンドリルとカルチパッカを20年近く使用しており、「畑作の感覚でコメを作ろう」という盛川氏の考えからもグレーンドリルの利用は、自然な流れであったと考えられる。また、盛川氏来室のタイミングは、コスト半減を目指した農水省のプロジェクト研究「担い手プロ」が始まろうとしていたときであり、まさに幸運であった。

(以下つづく)

大谷隆二(おおたに りゅうじ)
1961年山口県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、農林水産省に入省。北海道農業試験場で『草地飼料作および水稲作の機械化に関する研究』、農業研究センターで『水稲の低コスト栽培および乾燥調製に関する研究』に従事。1997年岡山大学より学位授与(農学博士)され、1998年に『無代かき直播栽培に関する研究』で農業機械学会技術奨励賞受賞。その後、農林水産省大臣官房で技術調整に関する業務に従事し、2003年に東北農業研究センターに異動。東北水田輪作研究チーム 上席研究員。著書に『北の国の直播』(共著)がある。
※記事全文は農業経営者10月号で
Posted by 編集部 | 12:29 | この記事のURL | コメント(215) | トラックバック(0)
農業技術 | 大規模輪作営農のための乾田直播技術

グレーンドリルを用いた播種体系【基礎編】 | 農業経営者 9月号 |  (2008/09/01)

稲作経営を抜本から変える革新技術として注目される乾田直播。海外マーケットへの進出の鍵さえも握るこの技術は、稲作経営に携る者にとって、無視できない存在になりつつある。試験場での研究のみならず、現場の農業経営者と一体となって技術開発に取り組む東北農業研究センターの大谷隆二氏が、実践的な乾田直播技術をシリーズでお伝えする。

日本国内における直播栽培の現状


現在、直播栽培による水稲の作付面積は10年前の約2倍に増え、2005年には国内の全水稲作付面積の1%を越えた。湛水直播と乾田直播の面積比率は約2対3で、湛水直播は北陸・東北地域で増加傾向にあり、乾田直播は東海地域で増加している。

普及拡大の技術的な要因は、湛水直播では落水出芽法による苗立ちの安定化、条播機・点播機の開発であり、乾田直播では愛知県で開発された不耕起乾田直播機が特筆される。また近年では、直播栽培は高温登熟を回避するための危険分散の手段としても注目されている。

直播栽培の経営的なメリットは、大規模経営での作期分散や、削減した労働時間を野菜作に回すなどの経営全体での導入効果である。(以下つづく)

大谷隆二(おおたに りゅうじ)
1961年山口県生まれ。岡山大学農学部を卒業後、農林水産省に入省。北海道農業試験場で『草地飼料作および水稲作の機械化に関する研究』、農業研究センターで『水稲の低コスト栽培および乾燥調製に関する研究』に従事。1997年岡山大学より学位授与(農学博士)され、1998年に『無代かき直播栽培に関する研究』で農業機械学会技術奨励賞受賞。その後、農林水産省大臣官房で技術調整に関する業務に従事し、2003年に東北農業研究センターに異動。東北水田輪作研究チーム 上席研究員。著書に『北の国の直播』(共著)がある。
※記事全文は農業経営者09月号で
Posted by 編集部 | 12:29 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
 1  |  2  | 全て表示