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提言 | 視点

時代は変わる 幻想を打ち砕け | 農業経営者 6月号 |  (2004/06/01)

【一橋大学イノベーション研究センター教授 米倉誠一郎】
view0406.jpg 米国のカリフォルニア州に知事が47人もいたら、だれもがおかしいと思うだろう。もちろん、同州の知事はアーノルド・シュワルツェネッガーただ1人だ。だが、ほぼ同面積の日本には知事が47人いる。議会も47あり、多くの議員を抱えている。

これは130年前の廃藩置県をそのまま制度として引きずっているからにほかならない。明治初期には、1日50㎞歩いても東海道を行くのに10日かかった。240時間である。今、新幹線を使えば、東京―大阪は2時間半だ。つまり日本という国のサイズは100分の1になったのに、地方行政は高コストで、無駄なシステムを残していることになる。
農業も同じくらい時代錯誤だ。販売農家に分類される経営体は200数10万もあると聞く。しかもその6割が年間販売額100万円未満だという。そんなに社長が多い産業は他にない。そもそも売り上げ100万では産業とも呼べない。一概に補助金がいけないとは言わないが、日本の農政は「農業は大事だ」という論理で補助金をあまねくばらまき、個々の競争を抑制してきた。しかし、このままでは農業が立ち行かないとすでに気付いている。

膝が震えるほどのチャンスがそこに



時代は変わる。だから自分も変わらなくてはいけないと言うのではない。変われるチャンスなのである。
例えば近年、農業にはおいしい、安いに加えて、「食の安全・安心」という基軸が入ってきた。新たな基軸によって競争のルールはがらりと変わった。うまくその点に着目できた経営が競争力をつかめる可能性が生まれた。

さらに付け加えれば、現代の競争とは「生産」ではなく、ビジネスのプラットフォームをいかに作るかである。農業界内部では、もう農業はダメだと思われているかもしれないが、外から見れば魅力に満ちている。株式会社の参入は当然だろうし、NPOでも農協でも個人経営でもかまわない。最も優れた仕組みを提供した者が消費者に選ばれる。なぜなら、豊かさの根源とは、選択肢が多いことであり、人々はそれを求めているからだ。

経済学者シュンペーター曰く「イノベーションは常に新人によって担われる」。おそらく、自身をニューフェースだと感じている人、変化の兆しを感じている経営者にとっては、膝が震えるくらいのチャンスが来ようとしている。農業が虐げられていたという幻想を打ち砕き、起業家として成功したいという意志が問われている。
既存の農業者がしなければ、新たによそからやってきた人間がやるだけである。
(インタビュー・まとめ 秋山基)
米倉誠一郎(よねくら せいいちろう)
1953年生まれ。一橋大学社会学部卒、同経済学部卒。ハーバード大学からPh.D(歴史学)。専攻は経営史。著書に「経営革命の構造」「企業家の条件―イノベーション創出のための必修講義―」「ジャパニーズ・ドリーマーズ」などがある。
Posted by 編集部 11:30

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