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提言 | 視点

企業参入と農地取得を区別せよ | 農業経営者 10月号 |  (2004/10/01)

【拓殖大学国際開発学部教授 叶 芳和】
view0410.jpg 株式会社の農業参入は、20~30年も前から語り尽くされてきた議論である。
当時は、農地の貸し手が少なかったため、「参入」は「農地取得」と同義で語られた。しかし今の状況は全く違う。農地はあり余り、わざわざ買わなくても、安く借りられるようになった。返還リスクも小さく、現に経営能力の高い農家は、農地を買ったりはしない。借地で規模拡大している。

“評論家”の主体なき政策要求



すでに構造改革特区で認められたリース方式の全国拡大が決まり、株式会社の参入規制はかなり緩和された。本当は耕作放棄地だけでなく、通常の農地もリースの対象にした方がよい。だが、取得を認めさせようというのは、すでに時代に取り残された議論に思われる。
また、これは主体なき政策要求でもある。企業側では、少なくとも経団連は「農地を取得させろ」とは主張していないのではないか。にもかかわらず、改革の名のもと、“評論家たち”が「開放!」を叫ぶ。おかしなことだ。

株式会社の参入は、農業界に刺激を与え、プラス効果をもたらすだろう。だが、株式会社の特徴は資本調達力の高さであって、それ以外の何ものでもない。大企業が農業をやれば必ず成功するというのは、農業全般を見下した偏見か、錯覚に過ぎない。

決め手は資本ではなく頭脳



農業とは本来、頭脳労働産業である。市場は競争過多で、何かが売れれば、無限の供給者たちが似た商品を目がけて殺到する。ブランドの維持は難しく、創業者利益は一瞬にして消える。それゆえ、農業経営者には資本調達力よりも、何を作ってどう売るかというマーケティング感覚が問われる。

また、農業経営には、様々な生産要素を組み合わせ、刻々と変わる条件に柔軟に対処する応用能力も求められる。その点についても株式会社が優位性を持つとは言えず、むしろ私の知る限り、一般企業の社員たちより、先進的な農業経営者の方が鍛えられている。

経営能力の高い農家は、企業が参入しても恐れる必要はない。
企業の参入例として、よく外食産業のワタミグループが取り上げられる。が、同グループは農地を借り、収穫物は自社店舗で引き取ることでマーケティングの難しさから解放されている。おそらく企業の農業へのかかわり方は、このパターンか、契約栽培の形に落ち着くにちがいない。

逆に経営能力のない企業が、農地を買い込んで挫折すると、優良農地が転用され、虫食い状態を招く危険がある。そうした事態を防ぐためにも、株式会社の参入には、リース方式がふさわしいと言わざるをえない。
(インタビュー・まとめ 秋山基)
叶 芳和(かのう よしかず)
1943年鹿児島県・奄美大島出身。財団法人国民経済研究協会理事長などをへて、現職。専門は農業問題、行政改革、中国・アジア経済など。主著に「農業・先進国型産業論」「農業ルネッサンス」「赤い資本主義・中国」などがある。
Posted by 編集部 11:30

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