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農業経営者コラム | 幸せを見える化する農業ビジネス

「取引」から「取組」へ経営をシフトする | 農業経営者 6月号 |  (2009/06/01)

坂上隆

ライバルは太陽



かつて私のライバルは太陽だった。農業を始めた頃、1日16時間トラクタに乗っていた。トラクタの上で3食メシを食べ、疲れれば睡眠もとる。これはもしかすると農家であれば割に当然のことかもしれない。しかし一人だけの作業は孤独だった。誰か競争する相手がいた方が気は楽になる、そう考えて目をつけたのが太陽だ。太陽を人としてとらえると、日の出が就業時間で、日の入りが終業時間となる。私は日が昇る前に作業の準備を終わらせて、日が沈むまで働く、つまり太陽より働いてやろうと考えた。太陽に勝てれば地球では無敵なのだ。だから暗い未明には「太陽、出て来い!」と待ちかまえ、日中の作業に疲れると「太陽に負ける!」と思って頑張った。今こうして振り返ると笑ってしまうが、当時は必死だった。そして実際、でかい相手をライバルに据えることで、自分の絶対的なパワーを引き出せた。

その当時の仕事は、時給に換算すると約100円。農業における成功の基準は俗に「農業所得が1000万円越えること」と言われるが、そこに至るまで私はずっと太陽を相手に勝負してきた気がする。

過去の推移と成長率を見ると、14年間の平均で売上は毎年16%の割合で成長している。単純計算すれば数十年後に100億円に到達する見込みだったが、ある日、働きすぎで私は倒れた。作業のラインはほぼ一人でやっていたので、これで成長率はゼロだ。しかし私は倒れたことを好機としてとらえた。というのも1人で作業を続けていれば、いずれ限界が来るのは分かっていたので、分業化するいいチャンスと考えたのである。自分の中で段取りは完成していたので、病院のベッドの上でパソコン内にある作業工程を紙上に書きだし、残ったスタッフに作業管理を指示した。幸運にも力のあるスタッフに恵まれた結果、翌年もさらに高い成長率を保持できた。1000万円を達成したビジネスモデルでその倍働けば2000万円まで届く。しかしさらに倍、働くことは不可能だ。それ以上を目指すには、自分以外の人間の力が必要となる。

(以下つづく)
坂上隆(さかうえ たかし)
(有)さかうえ社長。1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
※記事全文は農業経営者06月号で
Posted by 編集部 | 12:29 | この記事のURL | コメント(48) | トラックバック(0)
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ビジネスは外部環境の見極めから始まる | 農業経営者 5月号 |  (2009/05/01)

坂上隆 商売において、ひとつの不変の法則がある。それは“お腹いっぱいのところに商品をもっていっても食べてもらえない”ということだ。

 農業で商売になっていないケースに、同じ商品をもうこれ以上いらないという人や地域に過剰に提供していることがあげられる。それより空腹のところを探して、持っていくほうが喜ばれるし、儲かる。当たり前の話だ。同じところに同じものを持ち込むのは、自分の都合であり、おのずと同じ姿勢の生産者と行動と結果が似てくる。そのような惰性を乗り越えるには、まず、己の経営をとりまく外部環境を正確に捉えるところからはじめるといい。大きな時代情勢や個別商品の競合状況、顧客要請の変化などだ。

しかし、農家ほど外部環境を気にせず、モチベーションを持続できる職業はほかにない。というのも、作り手の期待に応えて、植物が日々成長する農業ほど楽しくて満足が得られる仕事はないからだ。これは毎日赤ちゃんを産んで、毎日育てて、毎日嫁に出すようなものだ。育てる幸せがあまりに大きいので、ほかの達成感がいらなくなり、農場の外部のことなどどうでもよくなってしまう。

私もこの幸せの虜になって農業を志した一人だが、私の場合、農家以外の外部にもこの幸福な生き方を広めていきたいという思いがあった。だから作る喜びだけでは終われない、経営者の道を選んだのだ。

チャンスは顧客の課題にあり



私が大きな外部環境を意識するようになったのは、父の元で働いていた時分、小遣い(月給)が5万円だったころに遡る。1日16時間は畑に出て働いていた。時給に直すと108円だ。

(以下つづく)
坂上隆(さかうえ たかし)
(有)さかうえ社長。1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
※記事全文は農業経営者05月号で
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経営者の強い味方——「経営指針書」 | 農業経営者 4月号 |  (2009/04/01)

坂上隆 前回、社員の器を大きくする考え方について述べた。しかし、スタッフの育成や雇用を守ることを経営の中心に据えてしまっては事業はうまくいかない。とくにお客様のことより社員の言動に重きを置いてしまう状況は危うい。

農業にかぎらず、あらゆる事業はお客様が買ってくださってはじめて成立でき、存続できる。お客様はそれほどありがたい存在だ。換言すれば、100%顧客に依存している。

にもかかわらず、組織をゼロから作っていく段階で経営者は、遠くにいる顧客より、身近にいる社員に影響を受けやすい。「彼がこんなことを言っている」「彼女がこんなことをしている」と、小さな組織ほど情報がダイレクトに入ってくる。組織が成長するにつれ、経営者と古参社員の考え方の間に大きな溝ができることもある。中途採用が増えると、能力は高くてもほかのスタッフにネガティブな影響を与える社員も出てくるだろう。

こうしたとき、自分の心の中に次のような大義名分を掲げて見過ごしていることはないだろうか。

「今は社員の成長を見守る時期だ」「問題は多いが、こんなに能力のある社員は地元では得難い」「地元の雇用を守らねば」

地域社会に根ざし、まだまだ優秀な人材が集まりにくい環境にある農業の経営者として、立派な心構えかもしれない。実際は「せっかくここまで育てたのに……」という事業主としての心情もあると思う。しかし、その考えは自分都合の発想ではないだろうか。そもそも経営の存続基盤が脆弱な中小企業で、顧客に提供できる価値向上とは関係のないところで、社員を維持する余裕はない。
(以下つづく)
坂上隆(さかうえ たかし)
(有)さかうえ社長。1968年鹿児島県生まれ。24歳で就農。コンビニおでん用ダイコンの契約栽培拡大を通して、98年から生産工程・投資・予算管理の「見える化」に着手。これを進化させたIT活用による工程管理システム開発に数千万円単位で投資し続けている。現在、150haの作付面積で、青汁用ケール、ポテトチップ用ジャガイモ、焼酎用サツマイモなどを生産、提携メーカーへ全量出荷する。「契約数量・品質・納期は完全100%遵守」がポリシー。03年、500馬力のコーンハーベスタ購入に自己資金3000万円を投下し、トウモロコシ事業に参入。コーンサイレージ製造販売とデントコーン受託生産管理を組み合わせた畜産ソリューションを日本で初めて事業化。売上高2億7000万円。08年から食品加工事業に進出。剣道7段。
※記事全文は農業経営者04月号で
Posted by 編集部 | 12:29 | この記事のURL | コメント(90) | トラックバック(0)
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