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編集長コラム

我々の“内なる国境の壁”を越えよう | 農業経営者 5月号 |  (2002/05/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
今月号の「農業経営者ルポ」では青山浩子さんに韓国春川市の農業経営者・白敬烈さんと彼の経営を支援する春川農協・金在鎬組合長を紹介することをお願いした。今月号が本誌創刊10周年記念号であればこそ敢えて韓国の白さんを取り上げたのである。

本誌は、日本の農業経営者の誇りを擁護し、しかも日本の農業が消費者に支持を受ける存在であり続けるためにこそ、その存在意義があると考えている。であればこそ我々は韓国や中国など海外からの農産物輸入を恐れるのではなく、日本の農業がなぜかくも弱々しい存在に成り果 ててしまったのかを問い、農業経営者自らがそれに対する答えを出していく勇気を持つべきなのだと考えるのである。むしろ、我々は韓国の農業を合わせ鏡として自らを見直すとともに、彼らも食べる者への責務を背負う健全なる競争と協力の関係を持つ仲間だと認識すべきなのだ。
本誌では、これまでも地域を越えること、業界の枠を越えることの必要性を農業経営者のみならず、あらゆる「農業」と「食」にかかわる業界人に呼びかけてきた。そして、読者たる農業経営者の方々が地域(村)を越えて経営者と出会うことを演出してきた。異質な背景を背負いつつも目線の揃う人々との議論や共同作業は、誰にとってもビジネスチャンスや知識を得るだけでなく、個人として、あるいは職業人として生きることの可能性を自覚していくことに繋がったと思う。政策的にも地域や共同体というものに縛り付けられて生きてきた農業者にとって「村を越える」出会いが新鮮な体験であったごとく、彼らも会社や業界という組織(村)に縛り付けられることで自らの創造力に制約が与えられてきたのだ。そしてさらに、我々は国境を越える勇気を持つべき時代にいるのだ。

たしかに、当面の間、我が国の農業は外圧に苦しめられるだろう。しかし、それは、これまでの農業界や農家たちが、食べる者という顧客の存在すら省みることが無かったことを一つの原因としていることを忘れるべきではない。言ってみればお上にすがるばかりで真面 目に商売をしてこなかっただけなのである。

すでに小さくとも各地の直売所や引き売りや庭先販売に一生懸命になっている農家の奥さん達が気付いている商売人の精神がそれに一つの答えを出していくだろう。腰を低くして背筋をピンと伸ばした商売人としての農業経営者の登場こそが日本農業再建の条件なのである。

ところで今、僕は「農耕と園芸」誌の李英子社長を代表とする韓国の園芸資材業界人の一行を成田に見送って来た。彼らは、韓国「農耕と園芸」誌と本誌の共催事業として行った日韓の園芸資材業界の懇談会に参加するために来日したものである。本誌では、日韓の農業経営者の交流を促進するとともに、公正な競争のためにも我が国の農業経営者に韓国の低価格の資材を調達することに役立ちたいと考えている。そして、そのことが我が国の園芸資材業界の体質を強化することにも繋がると考えるからだ。

また、僕は4月初めに、西オーストラリア州南西部の様々なタイプの農場と農業経営者を訪ねてきた。それは日本からの農業投資を促進する目的で同州の農務省の招きで訪問したものである。そして、東海岸と比べて開発は遅れているが素晴らしい風土と高い民度を持つ西オーストラリアという地域において、日本の農業経営者や農業法人や農協の活躍の場がそこにあるとの認識からである。農業経営者と消費企業がジョイントベンチャーの農場をそこに持つことは考えられないか。それは結果 として日本に向けた食糧輸入が増えることになるかもしれない。

しかし、環境や社会的条件を考えるなら、これからの日本で養豚などの畜産業の制約はあまりに大きい。それだけでない。非農家を含めて農業を目指す者は決して少なくは無い。しかし、彼らの経済が許す農業経営の条件はあまりに制約が大きい。そんな人々に可能性を与えることも本誌の役割だと思う。同時に、農業を職業として選ぶ後継者たちに、自らの世界が小さな村のなかにだけあるのではなく、オーストラリアに第二農場を持つことを夢として描かせるのが、大人の責任ではないだろうか。今、50歳の農業経営者は30年前に現在の経営を想像できただろうか。実は、彼の体験した30年の変化より、これからの農業やそれを取りまく社会や世界の環境変化はさらに大きいのである。我々の今を守るために若者の未来の可能性を否定すべきではないのだ。

5月28日、期せずして本誌創刊の記念日に、西オーストラリア州農務省の主催で本誌の協力による西オーストラリアへの農業投資機会セミナーが開催される。ご関心のある向きは本誌までお問い合わせ願いたい。
Posted by 編集部 08:30

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