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提言 | 視点

革命はよそ者と若者とバカ者が起こす | 農業経営者 11月号 |  (2004/11/01)

【早稲田大学大学院教授事 前三重県知事 北川正恭】
view0411.jpg 三重県知事に就任したばかりの頃、「農林水産部の仕事とは何か」と県職員らに尋ねた。彼らの答えは「農林水産業を育成し、よい商品をよい流通に乗せること」だった。私はまったく違うと思った。それではまるで役所と生産側の癒着ではないか。

消費者サイドに立った農政へ



農政の仕事とは、まず消費者の側に立つことだ。農産物について言えば、おいしい、栄養豊富、あるいは安全・安心といった価値を創造することであり、消費者を見ずに生産者ばかりを見ていると、行政は必ず行き詰まる。
農業を「業」として成り立たせるのも、消費者あってこそである。したがって消費者重視の政策をきちんと施しもせず、産業として成立しないから補助金を配るというのは本末転倒だし、もとより官に頼った産業が栄えた試しはない。

その後、県の機構改革で農林水産部を廃止し、産業経済部に統合しようとした時のことだ。話を聞きつけた霞が関の農水省幹部が「そんなことをしたら補助金を付けない」と圧力をかけてきた。

地方分権一括法の精神を忘れたのかと私は反発した。しかし、ここは名を捨てて実を取ろうと考えて、組織統合はそのまま進め、新名称を「農林水産商工部」とした。県議や県内の市町村長、農協関係者らは安堵したのか、私に礼を言いに来た。そのご都合主義には、さすがにあきれ返った。

知事を務めた8年間、私は生活者起点の行政革命を唱え、職員らに意識改革を求めた。
地方がすたれたのは、国だけのせいではなく、地方にも問題があったからだ。国に甘え、予定調和の中でのみ仕事をし、補助金をとってきた首長が「名知事」「名市長」などともてはやされる。そんな自治体はいずれ納税者に見捨てられてしまう。

変革を呼び起こす勇気と根気を



同じことは農業にも言えるのではないか。現在の衰退ぶりは、消費者を二の次にし、経営を国に任せてきた結果だが、今後は、自立心と志を持たなければ生き残れない時代になる。冷静な自己否定と、新たな価値に向かって前進する努力が問われている。
革命は、よそ者と若者とバカ者が起こす。
この3者は既得権益に縛られず、自らが信じる価値によって壁を打ち壊すからである。小さなことから始める勇気と、それを大河にまで育てる根気。この二つがあり、目的と方向性が正しければ、変革は必ず達成される。

既得権益にしがみつく層が脱皮しないのであれば、異端者が主流に取って代わる。そうなれば日本農業には大いに可能性があると思うのである。
(インタビュー・まとめ 秋山基)
北川正恭(きたがわ まさやす)
三重県出身。81年東大法学部卒業後、建設省入省。法政大教授、ミネソタ大政治学科客員研究員などを経て現職。専門は行政法、法と経済学。工学博士。著書『官の詭弁学』では、規制緩和を巡る省庁とのやりとりから、官の非論理や事実認識の矛盾点を突く。
Posted by 編集部 11:30

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