執筆者一覧

農業ビジネス
農業経営者twitter
デジタル見本誌

アーカイブ
2017
08 06 05 03 02 01
2016
12 11 10 07 06 04 03 02
2015
12 11 10 09 08 07 06 04 03 02
2014
12 11 10 09 07 06 05 03 02 01
2013
12 11 10 09 08 07 06 04 02
2012
12 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2011
12 09 08 07 06 05 04 03 02
2010
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2009
12 11 10 09 07 06 05 04 03 02 01
2008
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2007
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 01
2006
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2005
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2004
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2003
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2002
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2001
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
2000
12 11 10 09 08 07 06 05 04 03 02 01
1999
12 11 10 09 08 07 06 05 04 02 01
1998
12 11 10 09 08 07 06 04 02
1997
12 10 08 06 04 02
1996
12 10 08 06 04 02
1995
12 10 08 06 04 03
1994
12 09 06 03 01
1993
10 07 05
文字のサイズ
中
大

HOME > 提言  > 視点  >翼があることを思い出...

提言 | 視点

翼があることを思い出せ | 農業経営者 3月号 |  (2005/03/01)

【(株)篠崎屋社長 樽見 茂】
view0503.jpg 現在、篠崎屋の「豆富」(「豆の富をいただく」という理念から、同社ではこう表記する)には、米国オハイオ州の契約農場で採れた大豆を使っている。現地の研究機関が改良を重ねた特別な品種で、タンパク質含有量が多い。はっきり言えば、国内の農家が減反で仕方なく作った大豆とは比較にならない。豆腐は日本が誇る食文化だが、原料の点で全く遅れている。

国産大豆に翻弄された豆腐業界



3年前、国産大豆が大量に売れ残った時、全農は豆腐業界に「在庫の値段を3分の1に下げるから使ってくれ」と頭を下げた。各メーカーは渋々買ったが、翌年、天候の影響で収穫が半分に減ると、途端に大豆の市場価格は上がった。
豆腐は加工食品なので、いったん卸価格が決まれば、そう簡単に値上げはできない。国産大豆フェアに乗せられたメーカーが赤字に苦しむ中、その翌年も収量は減り、大豆の価格はまた上がった。

僕は大豆問屋と一緒に全農に行き、「いっそ、豆腐用の安い大豆はもう日本では取れないと国民に発表してくれ」と頼んだ。しかし、彼らは結局何もしなかった。

そういうわけで、僕は日本の農業を信用していない。しかし、農家を我々と同じ「製造小売業」として見るならば、可能性が大いにあると考えている。

農家が八百屋を経営する



篠崎屋では上場前にスーパーへの卸をやめてしまった。工場直売所という業態をとり、それまでの卸価格と同額で直販するところから、新たなビジネスを始めた。

農業でも同じことはできる。試しにJA出荷やスーパーとの取引をやめ、出荷額と同じ値段で直接消費者に売ってみればいい。流通業には絶対に真似できない、製造小売の強みに気づくだろう。

農家が流通に頼っているのは、同じ品目ばかりを大量に作るからだ。そうではなく、多品目小ロットを揃え、販売スケジュールから逆算して作付けすれば、流通は必要ない。経費を抑え、鮮度と安さを売りにすれば、必ずお客さんは来る。選別もしなくていい。規格外の野菜でも安ければ、きっと喜んで買ってもらえる。

大切なのは「農家が八百屋を経営する」こと。なぜなら、商品について説得力をもって語れるのは、技術者でありメーカーである農家以外にいない。

今、各地の豆腐メーカーは経営難に陥っている。製造小売業という原点を見失い、販売を他人に任せてしまったからだ。ニワトリが翼のあるのを忘れ、飛べなくなったのと変わらない。

農業も自給自足を経て、余ったものを自ら売ったのが原点だったはずだ。自分たちに翼があることを思い出して欲しいと思う。
(インタビュー・まとめ 秋山基)
樽見 茂(たるみ  しげる)
1963年東京都生まれ。大学卒業後、実家で修行。「天然にがり絹ごし豆富」「寄せ豆富」などのヒット商品を生み、95年㈱篠崎屋設立。00年スーパーから全面撤退し、工場直売所「三代目茂蔵」のフランチャイズ展開を開始。その後、外食チェーンにも進出する。03年業界で初めて東証マザーズに株式上場。著書に「豆富バカが上場した!」など。
Posted by 編集部 11:30

このエントリーのトラックバックURL:

コメントする