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提言 | 視点

人口減少社会と農業の役割 | 農業経営者 4月号 |  (2005/04/01)

【政策研究大学院大学教授 松谷明彦】
view0504.jpg 日本の人口は他の国々と比べて、はるかに速いスピードで減少していく。その主な原因は、「少子化」ではない。日本人の出生率は約80年前から一時期を除き、ずっと緩やかに下がり続けている。これから人口減少が起きるのは、ベビーブーム世代が一挙に高齢化し、死亡者が急増するからだ。

戦後のベビーブームは各国に見られた。だが、日本の場合、食糧難を乗り切るため、1950年代初頭から産児制限を実施し、ブームは極めて短期間に終わった。その結果、グラフに表すと「人口の塊」の後に「急峻な谷」が続くギクシャクした人口構造ができた。急激な人口減少は、過去に人口をいじった結果にほかならない。

人口減少がもたらす変化



2000年から30年間で、日本の人口は約14%減。生産年齢人口(15~64歳)は約27.8%減る。このため経済はマイナス成長になるが、国民所得()の動向を見る限り、その縮小幅は約15%に留まると予測される。人口の減少幅が約14%なのだから、1人当たりの所得水準は今とそう変わらない。

ただし、経済政策や企業経営は180度転換せざるをえない。「構造改革なくして成長なし」と現政権は言うが、もはや成長を目標とした政策は通用しない。企業も労働力や需用の縮小を前提にスリム化を迫られる。特に都市圏では高齢化が著しいため、若い労働力を必要とするIT、バイオなどの先端産業がもろに影響を受ける。

一方、もともと高齢化が進んでいる地方では、都市圏よりも年齢構造の変化が少ない。その分、条件面では有利と言えるが、すでに現時点で地方経済は疲弊し切っている。今後は都市圏に依存するわけにはいかず、公共事業も間違いなく減っていく。

農業を地域経済の核に



地方経済の自立策として、私は農業を核とした重層的な産業構造を提唱している。複数の県が広域経済圏を作り、各地域が分業して得意分野に特化する。その中に農機・資材・農薬などの川上産業と、食品加工・輸送などの川下産業を、気候や地域性に即して積み上げれば、十分に地方経済の軸になる。高齢化していく労働力にも農業は適合しており、このことは就業機会の確保にもつながる。

生産性の向上は必須で、国際競争に勝てるように生産形態や農地所有制度を見直す必要がある。大規模農家や企業と、小規模で技術的レベルが高い専門的な農家が並存し、農産物の量と質を維持するのが望ましい。

まずは農業それ自体が持続可能な産業に変わらなくてはならない。地方経済の自立のために農業経営者が果たす役割は大きく、その社会的責務は重い。
(インタビュー・まとめ 秋山基)
※国民所得……雇用者所得と財産所得と企業所得の合計で、「国民所得=国民総生産(GNP)-固定資本消耗-間接税+補助金」で算出される。
松谷明彦(まつたに あきひこ)
1945年大阪府生まれ。東大経済学部卒業後、大蔵省入省。主計局主計官、大臣官房審議官などをへて、97年から現職。工学博士。専門はマクロ経済学、社会基盤学、財政学。昨年、著書『「人口減少社会」の新しい公式』が話題になった。他に『人口減少社会の設計』(共著)がある。
Posted by 編集部 11:30

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