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編集長コラム

食べる人のために! | 農業経営者 4月号 |  (1999/04/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
自給自足の社会だった頃を想像してみよう。人は家族(食べる人)のために狩りをし畑を耕したであろう。しかし、農耕や狩りをするために食べる者を求めたりはしなかったはずだ。

農業は「食べる人(消費者)」のためにあるのだ。農民や農業のために消費者がいるのではなく、農家自身を含めた消費者(食べる人)のために農業や農業経営者は存在しているのだということを我々は忘れるべきではない。

これまで農業界や農家は「農業者の生活権」を語ることには熱心であっても、どれだけの重さで「食べる人のために」と考えてきただろうか。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(56) | トラックバック(0)
編集長コラム

対立的二元論を超えて | 農業経営者 2月号 |  (1999/02/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
先頃、ダイエーの中内功会長兼社長が同社の経営不振を理由に社長の座を降りた。そこに一つの時代の終焉が示されているのではないだろうか。

中内氏と言えば、流通業界を「生産者(メーカー)の販売窓口」という存在から「消費者利益の代弁者」に変えていくことで、わが国を先進国型消費社会へと導いた担い手であった。当時の中内氏あるいはダイエーをはじめとする新しい形の小売業の出現が、それまでのわが国の生産者中心の生産・消費構造を大きく変えていったのだ。

それは、終戦の混乱期が終わり、日本人にとっての「消費」の意味が「欠乏」あるいは「空腹」を満たす「生き延びるための消費」から「豊かさを求める消費」へと変化していく過程でもあった。同時にそれは、生産者ではなく消費者が物の生産・消費の構造をリードする消費者中心の社会への変化だった。
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編集長コラム

農業は消費者のためにある | 農業経営者 1月号 |  (1999/01/01)

【「農業経営者」編集長 昆 吉則 -profile
1999年1月。2001年まであと2年の刻限を残すのみとなった。

2001年にはミニマム・アクセスという執行猶予の期間が終わり、日本の米生産者も関税化という世界標準の中で生きていく時代が始まる。

これから2年間、その交渉の推移に多くの農家や農業関係者たちは一喜一憂することになるだろう。しかし、我々は国益を守るための外交交渉に注目し、それへの対策を考えるだけでよいのだろうか。

そろそろ、自由化による農家経営の圧迫という言い慣らされた問題認識そのものから脱するべき時なのである。日本の農業が、自らの経営が、顧客に選ばれるに足るものであるか否かが問われるべきなのである。誤解の無いよう断るが、経営規模や売上の大小を言っているのではなく、農業とその顧客との関係を問題にしているのだ。
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Posted by 編集部 | 08:30 | この記事のURL | コメント(264) | トラックバック(0)